小売業

株式会社ヤオコー様

目指したのは「進化し続けるヘルプデスク」。 FAQを再構築し、 応対品質向上と継続的な改善を実現。

課題・背景

  • 従業員向けヘルプデスクの運用を効率化したい
  • オペレーターが参照するFAQを整備し、応答品質を高めたい
  • 問い合わせ内容を分析し、運用改善に役立てたい
 

実施内容・導入の効果

  • 既存のナレッジを整理し、FAQを再構築
  • 応答率、オペレーターのFAQ参照率がともに大幅上昇
  • 継続的なFAQの改修により、解決率が向上

 

概要

埼玉県を中心に、関東1都6県に200店舗以上のスーパーマーケットを展開する株式会社ヤオコー様(以下、ヤオコー様)。「豊かで楽しく健康的な食生活を提案する」という経営方針のもと、食生活提案型スーパーマーケットとして地域のお客様の日常生活を支える店舗運営に取り組んでいます。

同社では、本部や店舗に導入しているITシステムのお困りごとに対応するため、従業員向けヘルプデスクを設置しています。その運営をベンダー企業に委託していましたが、応答率、応対品質に課題を感じていました。

そこで、NTTデータ・マーケティングアクトでは「進化し続けるヘルプデスク」をテーマに、ヘルプデスクを再構築しました。オペレーターが参照するFAQを整備し、速やかに回答を提示するとともに、お問い合わせ内容を分析し、継続的な改善を続けています。詳しい実施内容について、ヤオコー様にお話を伺いました。

 

従業員向けヘルプデスク再構築メンバー

佐藤 勝彦 様(写真前列右から2番目)
株式会社ヤオコー デジタル統括部 IT基盤担当部長

中村 勝行 様(写真後列右から1番目)
株式会社ヤオコー デジタル統括部 IT基盤 担当マネージャー

朴 東雨 様(写真後列右から2番目)
株式会社ヤオコー デジタル統括部 IT基盤 主事

赤坂 萌葉 様(写真前列右から1番目)
株式会社ヤオコー デジタル統括部 担当

日高 淳智(写真前列左から2番目)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト CXソリューション本部 センタオペレーション担当(松山センタ) チーフジョブマネージャー

北野 新二(写真前列中央)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト CXソリューション本部 センタオペレーション担当(松山センタ) ジョブマネージャー

田中 寿子(写真前列左から1番目)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト CXソリューション本部 センタオペレーション担当(松山センタ) オペレーター

柴原 浩大(写真後列左から1番目)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト 事業開発本部 DCX推進部<FAQ>(FAQ担当) コンサルタント

和田 夏樹(写真後列中央)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト 営業本部 第一営業部 営業担当 課長

今本 有哉(写真後列左から2番目)
株式会社NTTデータ・マーケティングアクト 営業本部 第一営業部 営業担当 主査

※部署名・役職は取材当時(2026年8月)のものです

 

課題

応答率や解決率などのKPIが未達
応対品質を向上させたい

ヤオコー様では、パート・アルバイトを含めて32,000人以上の従業員が勤務しています。従業員の皆様がITシステムを円滑に使用できるよう、同社では2018年頃から統合ヘルプデスクを設置。ベンダー企業に運営を委託し、店舗や本部で使用するIT機器のトラブルや利用方法のお問い合わせ受付などを担っていました。

お問い合わせ電話は毎月約800件に上りますが、従来の運用では応答率や解決率などのKPIを達成できない状況が継続する事態に。また、システムの複雑化やデバイスの多様化に伴い、お問い合わせ内容が高度になり、ヘルプデスク業務の効率化、サービス品質の向上にも課題を感じていました。

以前の課題を語る様子

佐藤様

以前のベンダー企業は、シェアードサービス、つまり複数の企業のヘルプデスク業務を掛け持ちする形でご対応いただいていたため、応答率や応対品質に課題がありました。また、担当者の経験や知識に依存する部分も多く、問い合わせ対応の標準化や、FAQとしてナレッジを蓄積することも十分にできていませんでした。こうした課題を解決し、かつコスト面での最適化を図るため、RFP(提案依頼書)によるベンダー選定を実施しました。

 

実施内容

お問い合わせの応対データをナレッジ化
FAQを再構築し、スムーズな応対を実現

選定にあたり、ヤオコー様が特に評価したのが、NTTデータ・マーケティングアクトの「進化し続けるヘルプデスク」という提案でした。

「進化し続けるヘルプデスク」というテーマに共感したことを語る様子

中村様

7~8社を比較検討する中で、NTTデータ・マーケティングアクトの提案が突出していました。「進化し続けるヘルプデスク」というテーマにも共感しましたし、ヘルプデスクの運営実績や、ベンダーチェンジの移行ノウハウも非常に豊富です。KPIを設定して、運用品質を可視化する取り組みもされていました。その上、FAQやVOC分析を組み合わせて、継続的に改善していく仕組みもあります。

これだけ充実した環境でありながら、コストダウンも期待できる。「現状を打破できるのは、この企業しかない」と思うほどでした。

和田

ご提案にあたり、私たちはまず「ヘルプデスクが何のために存在しているのか」という点から見直しました。ヘルプデスクは、従業員の皆様が本来の業務に集中できる環境をサポートする位置付けです。その観点から、ヘルプデスクをどう進化させていくべきかを考えていったのです。

そこで私たちが着目したのが、お問い合わせの応対データです。このデータをナレッジとして蓄積し、どう対応につなげていくべきか。単にヘルプデスク運用を引き継ぐだけでなく、KPIから変えたほうがいいのではないかとご提案させていただきました。

その上で、ヘルプデスク運用開始前の構築段階から、ヤオコー様、弊社コンタクトセンターのスタッフ、FAQ構築スタッフを交えてプロジェクトを進めていきました。

 

 

約1,200件のナレッジを精査し、FAQを整備

ヘルプデスクの運用に向けて、まず取り組んだのがナレッジの整理です。オペレーターは、従業員の皆様からのお問い合わせに対し、FAQを参照した上で回答します。過去の応対履歴に基づくナレッジを精査し、FAQを再構築することが急務でした。

中村様

以前は、ベンダー企業がヘルプデスクを独自に運用していたため、どのようなナレッジが蓄積されているのか可視化されていませんでした。FAQも登録されていましたが、鮮度が落ちている情報が多く、活用できるのは100件ほど。そこで、FAQやナレッジの在り方から見直していきました。

ナレッジの精査からFAQを再構築したことを語る様子

朴様

NTTデータ・マーケティングアクトとともに1200件のナレッジを精査し、600件のFAQを再構築してサービスインを迎えることができました。かなりの時間をかけて調整しましたし、苦労も多かったのですが、この作業があったからこそ必要な情報をすぐに提供できるFAQが整備されたと思います。

 

 

FAQだけでなく、情報設計全体を整える

FAQの構築・改善において、NTTデータ・マーケティングアクトでは3つの点を工夫しました。

柴原

1つ目は、FAQ整備方針の明確化です。ナレッジを整備する段階では、どのようなFAQを目指すのかというゴールの共通認識がとても重要になります。そのため、ヤオコー様と定期的に打ち合わせを行い、進捗やFAQ化する判断基準を確認しながらプロジェクトを推進しました。

2つ目は、オペレーター目線でFAQを再構築することです。整理したナレッジをそのまま蓄積するのではなく、オペレーターが自己解決しやすいQ&A形式に全面的に再構成しました。質問文や回答文の表現を統一し、誰でも理解しやすい内容にするとともに、見やすさや検索性も意識しています。

3つ目は、システムを横断したカテゴリー設計です。ヤオコー様がお持ちのお問い合わせ管理ツール、サービスカタログ、FAQシステムの3つで共通のカテゴリーを持たせ、どのシステムを見ても迷わず情報にたどりつけるようにしました。

FAQの構築・改善で工夫したことを語る様子

柴原

こうした取り組みにより、FAQの検索性向上、お問い合わせ対応の効率化、オペレーター目線のナレッジ基盤の構築を実現できました。単にFAQを整備するだけでなく、情報設計全体を見直したことが、このプロジェクト最大の成果だと考えています。

日高

スタッフの配置も工夫しました。当初は、ITシステムに関するリテラシーの高い人員をアサインしようと考えていましたが、ヤオコー様が店舗で使用されているのは、スーパーマーケットの業務に特化した専門的な機器です。そのため、既存のシステムに詳しいスタッフよりも、新しい領域に興味を持って取り組める人材を配置したところ、従業員の皆様からのお問い合わせに対し、スムーズで質の高いサポートを提供できるようになりました。

 

 

ベンダー変更を意識させない、スムーズな移行

2026年4月からの本格稼働を前に、2026年1月からは既存ベンダーとの並行運用を開始しました。現在は、毎日朝7時から夜10時まで、オペレーター2席、SV1席の計3席で対応しています。

朴様

1月は全体の10~20%、2月は半分程度、3月には70~80%程度まで増やし、4月から完全に移行しました。大きなトラブルもなく、従業員もヘルプデスクが移管されたことに気付かないほどスムーズでした。

さらに、応答率も大きく改善しました。以前の応答率は85%前後で、従業員から「電話がつながらない」とクレームが入ることもよくありました。現在は93~95%と、非常に高い数値を維持しています。

以前のヘルプデスクの課題が解決したことを語る様子

赤坂様

以前のヘルプデスクでは、担当オペレーターが不在であったり、一度の電話では問い合わせ内容への回答を得られなかったりすることがあり、解決までに2、3回程度のやり取りが必要となるケースがありました。

現在は電話もつながりやすくなり、多くの場合、一度の問い合わせで回答まで得られるようになっています。今後、従業員向けのアンケート調査を実施する予定ですが、電話でのやり取りが確実に減っていることから、利用者の負担が軽減され、満足度の向上にもつながっていると考えています

 

 

「作って終わり」ではなく、運用しながらFAQを磨き上げる

運用開始後は、KPIのひとつに「FAQ参照率」を設定しました。

北野

FAQ参照率を100%にすることで、問い合わせ内容とFAQのギャップを把握できるようになります。足りないFAQを継続的に追加・改善することで、応対品質を高める改善サイクルの実現をめざしました。

ヘルプデスクの運用開始時は約50%だったFAQ参照率も、今では83~84%ほどまで上がっています。当初は約600件だったFAQも、日々のお問い合わせで必要だと感じた項目や、新しくリリースしたサービスに関する項目などを追加し、現在は1,100件ほどになっています。

とはいえ、FAQは数を増やせば良いわけではありません。必要な情報は増やし、鮮度が落ちた情報は削除するという形で、今後は精査をかけながら磨き上げていくことが重要になります。調整を繰り返し、質を上げていくことが今年度後半の取り組みになると思っています。

オペレーターの立場からもFAQの整備を実感していることを語る様子

田中

お客様の対応をするオペレーターの立場から見ても、FAQが徐々に整備されてきていると感じます。当初に比べ、お客様をお待たせすることなく、FAQから適切な回答を引き出せるようになりました。検索のかけ方、回答の解釈などはスーパーバイザーに確認し、わかりづらい点はオペレーターからも修正を依頼しています。

柴原

FAQを参照して正しい回答をするだけではなく、「NTTデータ・マーケティングアクトに任せて良かった」と思っていただけるような、品質の高い応対につながるFAQを構築することを心がけています。検索ログやオペレーターからのアンケート評価を継続的に分析し、FAQを「作って終わり」にせず、現場で活用されながら進化し続けるナレッジの実現に取り組んでいます。

 

お客様の声

さらなる改善を目指す姿勢に共感

今回の取り組みでヤオコー様が特に評価しているのが、運用開始後も改善を続けるNTTデータ・マーケティングアクトの姿勢です。

佐藤様

運用業務は、どうしても同じことの繰り返しになってしまいます。ただ、それに慣れてしまうと何も進化しません。それが企業にとっては、一番怖いことだと思っています。

その点、NTTデータ・マーケティングアクトは、足を止めることなく、一緒になって改善を続けてくれます。「従業員が本来の業務に集中できるよう、サービスを提供する」という目標に向かって、私たちと一緒に走っていく。提案時から「進化し続ける」をテーマに掲げ、現在もそれを実践し続けていただいています。

ヘルプデスクなどのベンダー企業とプロジェクトに取り組む際には、単に業務を委託するだけでなく、一緒にゴールを見つめて伴走することが重要です。その点でも、NTTデータ・マーケティングアクトは、とても心強いパートナーだと感じました。

顧客視点に立ってサービスを提供してもらえたことを語る様子

中村様

私たちと一緒に、顧客の視点に立ってサービスを提供していただける企業だと感じました。もともと私たちの業務について何も知らないところからのスタートでしたが、知識を深めながら一丸となってプロジェクトを推進していただきました。その強い気持ちが伝わってきて、人間的な魅力も感じました。

朴様

NTTデータ・マーケティングアクトをひと言で表すなら、一緒に改善してくれるパートナーです。問い合わせ対応で終わりではなく、FAQの改善から問い合わせの分析、運用改善の提案まで、積極的に取り組んでいただいています。ベンダーチェンジへの不安もありましたが、経験も豊富で提案力も素晴らしかったです。

「進化し続ける」という点では、今後は“新化”から“浸化”、そして“深化”へとフェーズを進めていきたいと考えています。

赤坂様

私たちからNTTデータ・マーケティングアクトにFAQの改修をお願いすることもありますが、その際の対応がとても速いと感じています。こうしたスピード感が、ヘルプデスクのサービス品質の向上にもつながっていると思います。

 

今後に向けて

AI活用とナレッジ強化を推進し、問い合わせしなくても解決できる環境へ

ヤオコー様が目指すのは、単なるお問い合わせ窓口ではなく、現場の業務を支えるサービスデスクへの進化です。

佐藤様

ヘルプデスクは、現場の生産性や従業員の満足度を支える重要な機能です。今後は、問い合わせ内容を解決するだけでなく、ナレッジやノウハウ、FAQをさらに蓄積していきたいと考えています。

そもそもトラブルが起こってから問い合わせをするよりも、自己解決を促したり、トラブルそのものを未然に防いだりするほうが効率的です。多角的に検討し、改善できる組織へと発展させていければと思います。

それによってヘルプデスクへの電話が減るのであれば、IT関連だけでなく年末調整の問い合わせなど、異なる領域にも対応を広げていければと思います。

人事領域のヘルプデスクを含め継続的な業務改善を目指すことを語る様子

今本

私たちも、現在の運営状況に満足することなく、継続的に業務改善をご提案していきたいと考えています。人事領域のヘルプデスクなども視野に入れ、ヤオコー様の業務負担の軽減や生産性向上にも貢献していきたいです。

FAQについても、今後は従業員の皆様に公開することで自己解決できる環境につなげ、呼量の削減にもつなげたいと考えています。生成AIを活用したナレッジの高度化やオペレーター支援についても、引き続きご提案していきたいと思います。

 

お客様情報

スーパーマーケットyaoko様ロゴ

株式会社ヤオコー様

1890年に川野幸太郎が埼玉県武州小川町(現・比企郡小川町)に創業した「八百幸商店」から始まり、130年以上の歴史を持つ。埼玉県を中心に千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、東京都、神奈川県の1都6県で、食料品を中心とするスーパーマーケットを展開しています。「美味しさ」「品揃え」「鮮度」「安さ」の4つの価値を追求し、多様化するお客様のニーズやライフスタイルに寄り添うことで、地域のお客様から愛されています。

 

 

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